October 19, 2020
プラスチックあらゆる場所にあります!プラスチックは、医療における衛生から、食品サービスにおける利便性まで現在社会に欠かせないもので、家庭、職場、学校で使用する手ごろな価格の材料であり、服飾品です。しかし、プラスチックは、その製造において貴重な天然資源を使用し、多くの場合、私たちの生態系に負の影響及ぼす方法で廃棄されることから、環境問題ともなりえます。
幸いなことに、循環型経済への移行により、プラスチックのリサイクルは拡大しています。Statistaによれば、世界のプラスチック生産量は、1950年の150万メートルトンから、2018年の3590億メートルトンまで増加しています。プラスチックのリサイクルは地球の保全に不可欠であり、廃棄物を削減し、気候変動を止め、次世代のために地球を守る取り組みの基礎となっています。
プラスチックのリサイクル運動の高まりに敬意を表して、ここでは、再生プラスチックに関して、意外と知られていない7つの項目を紹介します。この情報が興味をそそり、意識を高め、行動のきっかけになれば幸いです。
1. プラスチックのリサイクルに取り組む民間企業
エレン・マッカーサー財団はニュープラスチックエコノミー・グローバルコミットメントの先頭に立ち、プラスチック廃棄物と汚染を削減するための意欲的な運動のために、民間企業、政府や他の利害関係者を団結させています。このプログラムには、価値連鎖のすべての段階からの200以上の民間企業を含め、約400の組織が参加しており、世界で使用されるすべてのプラスチック包装の20%以上を占めています。財団の2019年の進捗報告によると、参加している包装材企業の36%が、現在、プラスチックを再利用するビジネスモデルの検証とパイロット事業に携わっています。
2. 再生プラスチックに対する消費者からの要求
Accentureの調査によれば、消費者の83%は、企業が再利用やリサイクルを意図した製品をデザインすることが、重要、または非常に重要だと回答しています。さらに、回答者の77%は、プラスチックは最も環境に優しくない種類の包装材だと指摘しています。リサイクルは、その認識を変えるかもしれません。メーカーにとって、この知見は、市場が持続可能な解決策を求めていることを明確に示すものです。
3. 規制が変化の鍵
2018年初頭の中国による藍天/国門利剣政策(緑剣政策としても知られてます)の実施は、プラスチック廃棄物に関する世界の考え方に変化をもたらしました。20年前、中国は、世界中からリサイクル可能な材料を輸入していていましたが、2018年、中国環境保護部は、多種のプラスチック廃棄物など、数十種類のリサイクル可能な材料の輸入を差し止めたのです。再生プラスチックに対する需要、新しいプラスチックリサイクル施設と廃棄物削減が、世間の注目を浴びるようになりました。これは、EU加盟国の三分の一が、使い捨てプラスチックメーカーに制限とリサイクル義務を課すなど、他の法規制と同時に行われました。これらの変化は、廃棄物の受け入れ先が減少するのに伴い、プラスチックのリサイクルの拡大を奨励すると考えられます。
4. プラスチックのリサイクルが河川から海に流出するプラスチックを阻止
Ocean Conservancyによれば、推定で800万メートルトンのプラスチックが毎年海に流入しています。もし今すぐ行動しなければ、次の10年以内に、海中の魚3ポンドに対し1ポンドのプラスチックが存在する可能性があると予測されています。海中のプラスチックを削減する重要な一歩は、海に流出する可能性が高いプラスチックを回収し、リサイクル施設に持ち込んで、河川に流出しないようにすることです。UL 2809 Standard for Environmental Claim Validation Procedure (ECVP) for Recycled Contentなどの新しい検証基準は、製品に使用されている海に流出する可能性が高いプラスチックの量を検証します。
5. プレ・コンシューマとポスト・コンシューマ再生含有物の違い
再生プラスチックには、様々な供給源があります。プレ・コンシューマ再生含有物とは、その意図するエンドユーザーの下には到達したものの、その意図する目的ではもはや使用されていない材料のことです。ポスト・コンシューマ廃棄物は、その中身が消費された後のプラスチックボトルや食品容器や、何年も使用した後に捨てられた携帯電話といったものから生成される場合があります。
プレ・コンシューマ(ポスト・インダストリアル)再生含有物とは、製造過程で廃棄物の流れから転用された材料で、エンドユーザーの下には決して届かないもののことです。例としては、製造時にプラスチック包装からでる切り端や、品質管理で落とされ、決して消費者の下へは届かないプラスチック製玩具などがあります。
両方の種類の再生含有物は、廃棄物が埋め立て地に行くことを阻止し、再生プラスチック材の許容可能な資源として役立ちます。
6. 再生プラスチックは安全性と性能を検証可能
UL Solutionsは、プラスチックの価値連鎖全体で、再生プラスチックの品質、安全性、持続可能性を検証する客観的な仕組みを提供し、メーカーやブランドオーナー、エンドユーザーが再生プラスチックの性能と信頼性に自信を持てるようにする取り組みを率先しています。例えば、UL 746D, the Standard for Polymeric Materials – Fabricated Parts (Ed.8)は、再生含有物を使用したプラスチックのUL安全規格への適合を評価します。また、UL Solutionsは、プラスチックの試験および認証プログラム(Yellow Card)も提供しており、プラスチックが、適用される規制基準に適合しているか、また、性能要件に適合しているかを試験します。
7. 再生プラスチックが計算可能
製品に使用されている再生プラスチックの量を実際に計算するのは、ほぼ不可能に思えるかもしれません。結局のところ、製品に使用されているプラスチックが、実際には高分子の溶融混合物や液状樹脂の一部であったことを、どうやって検証することが可能なのででしょうか? 化学的に再生されたプラスチックと新しいプラスチックを区別することは単純に不可能です。この事実を受けて、エレン・マッカーサー財団とUL Solutionsは、生産システムを通じて量を追跡し、最終製品に使用されている再生プラスチックの量を計算する物質収支計算法というプロセスを確立しました。その仕組みについては、物質収支:再生含有物を計算するための新しいアプローチをご覧ください。
循環型経済への移行が進む中、メーカー各社はリサイクル材の使用量拡大に向けた大まかな計画を立て始めることができます。UL Solutionsの再生プラスチックソリューションをご覧になるか、次のステップを決めるお手伝いをUL Solutionsにご相談ください。
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