
自動車技術の進化に伴い、リスクが増大
自動車技術は、インフォテインメントシステムや動作センサー、モバイルアプリの統合や完全自動運転など、さまざまな分野で急速に進化しています。最新の自動車には、最大150個の電子制御ユニットが搭載され、車載ソフトウェアのソースコードは1億行に上ります。識者の多くは、2030年までにコード行数が約3億行に達すると予測しています。一方、市販のパソコン向けソフトウェアのソースコードは約4千万行です。1 コード行数や接続ポイントが増えることで、機能性や利便性は向上しますが、セキュリティ侵害やサイバー攻撃のリスクも高くなります。
相互接続された製品やシステムは、ソフトウェアの脆弱性やエコシステムの脆弱なリンクを悪用する攻撃者の標的となる可能性があります。自動車がサイバー攻撃を受けた場合には、公共安全に対してさらなるリスクが生じます。そのため、最新の自動車技術を安全に導入するには、コネクテッド製品やシステムにサイバーセキュリティを組み込むことが不可欠となっています。
UL Solutionsは、OEMや自動車コンポーネント/システムメーカーが複雑さに対処し、自動車サイバーセキュリティ規格の枠組みやベストプラクティスを構築できるよう、ガイダンスとサポートを提供します。また、専門家によるギャップ分析、トレーニング、アドバイザリーサービスを通じて、ソフトウェアの脆弱性やサイバーリスクを特定・管理できるように支援します。これにより、世界各国の市場へのアクセスが向上し、より信頼性の高い安全なイノベーションを実現できます。
今日の相互接続された自動車システムにおいて、サイバー脅威は安全性に直結する問題です。
外部デバイス、ネットワーク、システムに新たに接続されるたびに、安全性、セキュリティ、品質に関する懸念も増大します。
お客様が自動車のサイバーセキュリティと機能安全を最適化し、より安全・安心なイノベーションを市場に投入するために、UL Solutionsがどのように支援できるかをご覧ください。
自動車の接続性全体のサイバーセキュリティ
UL Solutionsは、以下をはじめとする多くのコネクティビティコンプライアンス分野において、OEMやコンポーネントメーカーと連携しています。
- デュアルバンドWi-Fi
- GPS/全地球航法衛星システム/BeiDou
- 4G/5Gセルラー接続
- インフォテインメントセンター
- カメラ
- サブスクリプションベースの通信
- Vehicle to everything(V2X)
- セルラー無線システムのメンテナンス
- タイヤ空気圧モニタリング
- リモートキーレスエントリーとイグニッション
- オンボード診断
- 光検出とレーダー
- Bluetooth
自動車向けサイバーセキュリティアドバイザリー
UL Solutionsのアドバイザリーおよびギャップ分析では、サイバーセキュリティ管理システムをUNECE WP.29規制やISO/SAE 21434の要件と比較します。その上で、ロードマップとフレームワークを評価・策定して、コンプライアンスに向けた取り組みに役立てるため、詳細なドキュメントを提供します。弊社のアドバイザリーサービスには、次の内容が含まれます。
- ギャップ分析
- サイバーセキュリティ管理システムフレームワーク
- ソフトウェアアップデート管理システムフレームワーク
- リスクマネジメントフレームワーク
- 脅威分析およびリスクアセスメントフレームワーク
- サイバーセキュリティインシデントの監視と評価
- サプライチェーンマネジメント
自動車サイバーセキュリティ監査および試験
UL Solutionsでは、自動車コンポーネント/システムのハードウェアとソフトウェア両面でサイバーセキュリティ試験を実施して、お客様が製品のセキュリティ侵害リスクを理解し、ご自身のセキュリティ対策の妥当性を確認できるように支援します。また、サイバーセキュリティ管理システムでISO/SAE 21434やWP.29などの業界要件へのコンプライアンスに関する監査を実施し、お客様がご自身のサイバーセキュリティの成熟度を理解できるようにサポートします。
自動車向けサイバーセキュリティトレーニングおよび教育
UL Solutionsでは、製品オーナー、自動車エンジニア、開発者向けにセキュリティプロセス、関連規格、自動車業界への影響を理解するためのコースを提供しています。弊社のエキスパートが講師を務め、次のトピックに関するトレーニングと知識を提供します。
- 自動車向けサイバーセキュリティのベストプラクティス
- リスク管理の原則
- 脅威のモデリングと分析
サイバーセキュリティ要件を理解するための専門家によるサポート
UL Solutionsはサイバーセキュリティの幅広い専門知識に加えて、IoTおよびOTセキュリティラボ、セキュリティ分野の専門家とアドバイザーからなるグローバルネットワークを備えています。自動車エコシステムにおける世界各国のセキュリティ規格、フレームワーク、ベストプラクティスに関する専門知識を活用することで、次のような支援が可能です。
- 自社のサイバーセキュリティの成熟度を把握する
- 安全なデバイスを開発するために何が必要かを理解する
- スタッフや製品のデジタルIDを管理する
- 社内のサイバーセキュリティ能力およびプロセスを改善する
- 自社製品に組み込まれたセキュリティをライフサイクル全体で検証する
- セキュリティに基づき自社製品を市場で差別化する
UL Solutionsは500人を超える国際的なセキュリティ専門家を擁し、自動車向け規格やベストプラクティスに関する、業界をリードする実践的な知識を活用して、世界中のお客様にサービスを提供しています。また、国際標準化機構(ISO)や国連自動車基準調和世界フォーラム(WP29)など、複数の標準化団体や業界コンソーシアムに参画し、アドバイザーを務めています。これらの団体と共有する洞察や詳細にわたる技術的専門知識を活用することで、お客様と効率的かつ積極的に連携して、自動車技術のイノベーションの計画、試験、検証を推進し、サイバーセキュリティの脅威から保護することで、より安全な車両を市場に投入できるように支援します。
References
1 McKinsey、「The race for cybersecurity: Protecting the connected car in the era of new regulation」(サイバーセキュリティに向けたレース:新しい規制の時代におけるコネクテッドカーの保護)、2019年10月。

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インサイトおよびリソース
ニュース
- UL Solutions Issues First Automotive Cybersecurity Assurance Program Certificate to LG Innotek
- UL Solutions Advances Automotive Safety and Security with New Approach to Integrated Functional Safety and Cybersecurity
- UL Receives RDW Approval to be a Technical Service for UN Regulations Focusing on Cybersecurity in Connected Vehicles